抗がん剤治療(4) 通院での抗がん剤治療 仕事と両立

通院での抗がん剤治療

入院で1セット(5回+骨髄注射)と2セット目の1回を終え、いよいよ通院での抗がん剤治療がはじまりました。

最近の抗がん剤治療は、通院でも十分できる設備が整っています。大きい病院には「外来化学療法室」なる治療室があり、色んな癌の抗がん剤治療が行われています。

私がお世話になった病院にはフルフラットになるリクライニングシートが6つと普通のベットが2つと8名の方を同時に治療できるキャパシティーがありました。長時間の点滴に配慮してか、リクライニングシートにはタダで見られるテレビがついていました(テレビカードはいりませんw。うれしい配慮です。)
また、明るい看護師さんたちが楽しく、前向きな雰囲気をつくってくれているのも印象的でした。

抗がん剤治療を受ける間、自宅と会社とこの治療室が私の生活スペースになりました。

仕事と通院治療の両立

私の通院抗がん剤治療は、毎月5日間(1回4時間程度)と2か月に1回入院で髄注(骨髄注射)で、働きながら抗がん剤治療を受けるというもの。周りの理解や協力なくして難しいものです。四半世紀サラリーマンとして、まじめにしっかり勤めてきましたが、十分な蓄えなんてありません。家族の生活に不安をあたえないよう、働きながら治療を受けるしかないと自分自身納得して「仕事と治療の両立」に努めました。仕事をしている時間は病気のことを忘れられますし!!

まずは会社への説明

40歳代という会社で責任がある立場で、働き盛りの周りからもそれなりに期待されている状況で、治療の時間を確保できるのだろうかと不安がありました。会社の上司・同僚たちに包み隠さず相談したところ、ありがたいことに「治療を優先させて早く体を治すように」と受け入れてくれ、部下も一丸となってサポートすると協力を約束してくれました(役職もそのままで、、、ありがたいことです!)。

しかし、好意に甘えてばかりはいられません。自分自身で3つのルールを決めて「仕事と治療の両立」を始めました。

ルール(1)治療以外は出社して仕事を滞りなくこなす。

・私が出席必須な会議などを極力バッティングさせないように治療の日程が決まったらすぐに有給(半日)休暇を取得。会議などの予定が決まっている場合は治療日程を変更してもらう。

・治療で有給休暇を取得しても定時に出社し、治療が終わったらいったんは会社に戻り、帰宅する。・・・出社していれば周りも安心してくれます。残った仕事もその日のうちに片付きます。

・有給休暇(半日休暇)などは正確に申請する。・・・会社全員が治療しながら仕事していることを認めてくれている訳ではありませんので、後々問題にされないように徹底する。

ルール(2)仕事は抱え込まず、極力周りに任せる

・病状が悪化する可能性が高いので、できる限り仕事は部下・同僚に任せ、引き継いでおく。・・・いつ仕事できなくなるかわかりませんので、治療に協力してくれる会社の方々への恩返しの意味をこめて、包み隠さず教えられることは教える。

・会食などもお任せする・・・そもそも治療で会食など厳しいです。こちからお誘いするのも、招待されるのも気を使わせてしまうので。

・仕事を安請け合いはしない。

ルール(3)明るく振る舞う

・ガン治療をしていることを隠さず、話題の種として活用するなどし、明るく振る舞う。・・・本当にガン患者なのと言われれば”勝ち”ですかね(笑)。

・本当に辛いときは、気付かれないよう静かに過ごす。・・・残業などせず、早めに帰宅するのがいいですね。

通院治療で思ったこと。注意点など

抗がん剤治療って、どこまでやるのだろう。

抗がん剤治療を続けていると、はじめのうちはあ良いのですが、治療が進むにつれ、赤血球や白血球の減少や副作用に苦しめられます。

入院治療で行った1セット目で高熱が収まり、リンパ節の腫れも収まり、2セット目が終わる時点では体調良好で普通の会社勤めができていましたが、3セット目が終わるくらいから、白血球の回復が弱くなり、抗がん剤治療が中止になることが頻発してきました。4セット目が終わるころには赤血球や血小板の減少で成分輸血などが必要になりました。

この治療法は「寛解(検査で病気がみなくなること)率40%、3年生存率24%、生存中央値12.7か月。無病生存月7か月、1年無病生存率28%」。6セットやったとしても1年間、無事に生きることができる確率は3割にみたないのに、「なぜ輸血までして破壊する治療を続けているんだろうか。」と疑問に思いました。
主治医からは「いったん治ったと感じても、すぐに再発する可能性が高いから」とか「一度始めた治療法を中止した場合、効き目が悪くなるので、二度とこの治療法はできないから」などの説明を受けました。また偉い方々のルールなんかに縛られているのかなと邪推しましたが、過去の先人たちが同じ病気に苦しんで、色んな治療法を受け、一番効果があった治療法をやっているから、先人やお医者さんに感謝して治療法を受け続けることにしました。

とにかくスケジュール通りに治療は進まない。

この治療方法は28日を1セットとして、6セット行う治療で、最短6か月程度て終了する方法なのですが、白血球や赤血球の減少によって、中止されることもあります。40歳代は若いので比較的回復力があると聞いていましたので油断していましたが、私の場合は8か月の時間を要しました。(高齢者の場合はこの治療は危険すぎるとかで、だいたい50歳代以下しか行わない治療方法のようです。)また治療予定時間が4時間程度の場合でも採血待ちや会計の時間は考慮されていませんので、プラス最低2時間の余裕を持って臨まないといけません。

治療中止で輸血(これも2~3時間かかります)や白血球を増やす皮下注射(グランという薬)をうって終了など。どんどんスケジュールが狂っていきます。有給休暇を取得して通院しているサラリーマンとしては、会社と治療の予定を組み替えるのがたいへんです。ただし、治療日は投薬の時間が空いてしまうと効果が弱まるという理由で優先するしかありません。結局は会社のスケジュールを変えることになります。

赤血球が減少するとたいへん!

白血病なので白血球ばかり気にして、病気の人には近づかない、マスクは常時着用、うがい・手洗いはこまめになど注意していたおかげで、重い病気にはかからなかったのですが、赤血球が減ると体が極端に重くなってきます。はじめは入院などで筋肉などが落ちているせいかなと思っていましたが、、、特に抗がん剤治療日の3~4日後が危険でした。

・歩くスピードが遅くなる

通勤などでいつもの時間に家を出ているのに電車が2~3本遅い電車になることがしばしば発生するようになったころ。

健康な時はまったく気づきもしませんでしたが、昼食時のオフィス街などは、みんな歩く速度が速い!!

会社の同僚と一緒に食事っていうときなど、必死でついていくも、なかなか追いつけないの迷惑をかけることもしばしば。

という訳で、健常者とはご一緒するのは遠慮して、人が少ない時間帯で1人で昼食とることが通常になりました。いまでも、、、

・ちょっとした段差につまずいたり、坂がつらくなる。

普段は平らに見えている道も微妙に凸凹があったり、坂になっていることを痛感するようになります。

とにかく足が上がらなくなるので、ちょっとした段差でもつまずきます。たちが悪いのがうまく転ばないように足がでないこともあり、平らな道で一回転(きれいな受け身)をとったことが2~3回ありました。

後ろを歩いていた人など、「いきなり受け身をとっている変な人」って思ったでしょうね。。。

・マウスを持つでが動かなくなる

マウスを動かそうとした時、腕が重くて動かない。服を取ろうとして手を伸ばした時、おもりがぶら下がっているように感じる。

まるで加圧トレーニングでもやっているような感覚です。

この場合手足をブルブルと振ると治るのですが、突然起こるのでびっくりします。

私の場合は念のため、気休めに酸素スプレーを大量に購入し、活用していました。(本当に気休め程度にしかなりませんでしたが、、、)

mLSG15療法 全セット終わって

疑問を持ちながらも通院での抗がん剤治療を全うして、薬の服用はあるものの普通の生活に戻りました。脱毛していた髪も徐々に復活の兆しが見えてきて、しばらくは心穏やかに暮らせるかな~。

途中、化学療法に疑問も感じましたが、生還できているのだから、いい方に考えようと思いました。

化学療法治療室の看護師さんたちの明るさや、会社のみなさんの気づかい、支えてくれる家族。諦めそうな生存率を突き付けられても、周りの明るさに支えられてたように思えます。

ただ、私の病気は寛解しても再発100%と言われる成人T細胞白血病。今の医学では移植しか最良の治療法がないと言われています。

元気な時間は限られているのかも知れませんが、一日を大事に明るく生きましょう!!と言い聞かせている毎日です。